彼と彼女の場合
「よかった。ところで、俺はいつまで相沢さんなの?」

「え?」

「名前で呼んでもらえないのかなって」

「あ…そういうことですか」

「呼んでほしいな。あ、もしかして知らなかったりする?」

「そんな、まさか!」

知らないはずがないよ。

名刺までもらったんだし。
「…こ、浩汰さん…ですよね」

「よかった。ちゃんと知ってたね」

「…はい」

「俺も名前で呼ばせてもらってもいいかな?」

「あ、はい!」

「愛果」

…っ!?

名前を呼ばれて瞬間心臓がうるさくドキドキと鳴りだした。

「は、はい!」

「ふふっ、やっぱりいいね。やっと恋人同士っていう感じがする」

恋人同士…。

なんか、ものすごくいい響き。

恥ずかしいけど…。
< 110 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop