彼と彼女の場合
――

「もしもし!」

「家の前についたよ。準備できてる?」

「はい!すぐ行きます!」

約束の9時ちょうどに浩汰さんから電話がきた。


あのあと鏡とにらめっこしながら慣れないメイクをして、胸の下までの髪はポニーテールにした。



「おはようございます!お待たせしました!」

「おはよう。元気だね。とりあえず乗って」

待たせないようにと思ってバタバタ走ってきたからか勢いが良すぎたようで、浩汰さんにちょっと笑われた…。

「あ、ありがとうございます」

浩汰さんがドアを開けてくれて助手席に乗った。

すぐに浩汰さんも乗って発進した。


「今日は誘ってくれてありがとうね」

「わ、私こそ!わざわざ車で迎えに来てもらっちゃって、ありがとうございます!」

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