彼と彼女の場合
今日は少し遅くなっても構わないと言っていた彼女をまだ帰したくなかった。
車まで歩いて先に彼女を乗せると自分も乗る。
「どこか行きたいところある?」
「いえ、私はどこでも…」
実はその答えを期待して聞いたんだけど。
「じゃあ俺のうち、来ない?」
「浩汰さんの、おうち…ですか?」
「うん。どう?嫌かな?」
これも優しい彼女は嫌だなんて言わないだろうなと、半分答えがわかっていながらわざとこういう聞き方をした。
「嫌だなんて、そんな!」
ほら、ね…。
「じゃあ行こうか」
行こうかもなにも、ハンドルを握ってるのは俺なんだから彼女はどうしようもないんだけど。
逃げられるのが怖くてわざと車を発進させてから言い出した、なんて恥ずかしくて絶対言えないな…。
車まで歩いて先に彼女を乗せると自分も乗る。
「どこか行きたいところある?」
「いえ、私はどこでも…」
実はその答えを期待して聞いたんだけど。
「じゃあ俺のうち、来ない?」
「浩汰さんの、おうち…ですか?」
「うん。どう?嫌かな?」
これも優しい彼女は嫌だなんて言わないだろうなと、半分答えがわかっていながらわざとこういう聞き方をした。
「嫌だなんて、そんな!」
ほら、ね…。
「じゃあ行こうか」
行こうかもなにも、ハンドルを握ってるのは俺なんだから彼女はどうしようもないんだけど。
逃げられるのが怖くてわざと車を発進させてから言い出した、なんて恥ずかしくて絶対言えないな…。