彼と彼女の場合
私にカップを渡して自分の分のカップを持って、私が座っているソファーに少し間をあけて座った。

その近さに思わず身体がビクッと跳ねてしまった。

「ははっ。そんなに緊張しないで。何もしないから」
「す、すみません…」

何も…って…。


「今日はずっと賑やかなところにいたからちょっと静かなところで二人になりたかっただけだよ」

「そ、そうですね。浩汰さんのおうち、すごくお洒落ですね」

「ありがとう。俺も気に入ってるんだ」

「ここに一人で住んでるんですか?」

「そうだよ。一人で住むにはかなり広いんだけどね」
やっぱり一人暮らしなんだ。

「でもなんだか浩汰さんらしいおうちです」

「そう?愛果の中で俺ってこんなイメージなんだ?」
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