彼と彼女の場合
もしかしてお母さんのさっきからのニヤニヤの原因はこれか?

こうなるのがわかってて楽しんでるようにしか見えないし。

はあ…。


思わぬ強敵出現に少し狼狽えてしまったけど、ここで引き下がるわけにはいかない。

「夏樹くんごめんね。僕は愛果じゃないと嫌なんだ。夏樹くんたちにとって大切な大好きなお姉さんなんだろうけど、僕にとっても大切な人なんだ」

どうにか納得してもらえるように…子供相手にどう言えばわかってもらえるのかなんてわからなかったけど、愛果を大切に思う一人の男として話した。


「おにいさん、ほんとにおねえちゃんすき?」

「大好きだよ」

「ずっと、ずっとすき?」
「もちろん。ずっとずっと大好き」

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