彼と彼女の場合
まだ愛果の服を握りしめながらも必死に問い掛けてくる悠斗くんにも、目線を合わせるようにしゃがんで答えた。

「んー…。わかった!」

どうにか納得してくれた様子の悠斗くん。

その様子をみて面白くなさそうな夏樹くんと、悠斗くんが納得したなら仕方ない…というような葵くん。

もしかしてキーマンは悠斗くんだったのか?


「ほんと浩汰さんすみません」

申し訳なさそうに謝ってくる愛果に、大丈夫だよと返すと、

「愛果、ちょっとみんなつれて部屋行っててくれる?」

とのお母さんの声。

え!?もしかして俺、お母さんと二人きりにされるのか?

無情にも愛果は「はーい」と、三人を連れて出ていってしまった。


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