彼と彼女の場合
―――


昼前、結城から連絡があった。

今日は彼女は出勤しているらしい。


結城からのメールをみたとき、思わず力が抜けて危うく膝から崩れ落ちるところだった。

とりあえず無事で安心した。

昨日も何度か電話やメールをしてみたけど、やっぱりだめだった。

とにかく彼女の顔が見たい…。

俺はひたすら2時になるのを待った。

あの店で彼女を見つけてから俺は必ず毎日2時から3時の間に彼女に会えるように時間をあけてある。

同期のやつに気付かれたときはさんざんからかわれたがこれだけは変えなかった。



腕時計を睨み付けて2時になった瞬間会社を飛び出した。

歩いても5分ほどで着くところを全速力で走った。


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