彼と彼女の場合
ドアを開けて中に飛び込むと……


「い、いらっしゃいませ」
驚いた顔の彼女がいた。


よかった…。

ほんとに居てくれた…。


入ってきた勢いそのままで彼女を抱き締めた。


「キャッ!ちょ、ちょっと、浩汰さん!?」

びっくりして固まる彼女を潰してしまうんじゃないかという勢いで抱き締める。

「おい!あっちいけ!」

見かねた結城に奥を指差されて仕方なく彼女を離して、今度は手を掴んで更衣室に向かった。


「っはあ…」

ドアを閉めると改めて彼女の姿を確認して深く息を吐いた。


「あの…浩汰さん?」

戸惑いながら俺を見上げる彼女はどこもかわりなくいつもどおりに見えた。


< 201 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop