彼と彼女の場合
携帯だけ掴んでトイレに駆け込んできた。



「もしもし?」

「あ!もしもしお母さん?まだ電話大丈夫?」


「今出るところだったけど大丈夫。早くしてね」


「あのね、今日…か、帰らないとダメかな…?」


「どうしたの?どこにいるの?」


「浩汰さんのお家にお邪魔してる。やっぱり帰らないとダメかな?」


「…愛果がそんなこと言ったの初めてね。いいわ、今日だけだよ」


「ほんとに!?ありがとう!」


「家のことは気にしなくていいわ。悠斗はもう寝たし一応葵に言っておくから」

「ありがとう、お母さん」

「じゃあもう切るからね。お母さん仕事だから」

「うん!お仕事頑張って」

「はーい。じゃあね」




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