彼と彼女の場合
リビングに戻ると浩汰さんはさっきのままの体勢で固まっていた。


「あの!」


「あ、愛果。どうした?もう電話いいのか?」


「はい!あの…私、今日、お泊まりします!」


「はっ!?え?お泊まり?ここに?」

「はい!あっ…すいません!このあと用事とかありましたか?というか急にお泊まりだなんて迷惑でしたよね…。や、やっぱり帰ります!」


私何してるんだろう…。


勝手に突っ走っちゃって、浩汰さんの都合も聞かないで。


「いや…用事はないし迷惑でもないけど…。いいの?」


「はい!さっきお母さんに電話してちゃんと許可もらいましたから」


「そうなんだ…」



「あの…やっぱり、だめですか?」




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