彼と彼女の場合
今は9時すぎ…

さすがにまだ寝るような時間じゃない。



…そうだ!

風呂は?



「愛果?あの…風呂、入る?」


「あっ…私、着替え持ってない…です」


そうだよな。

そんな予定じゃなかったんだから。


「俺のでよければ着る?」

「…いいんですか?」


「いいよ。さすがにサイズはかなり大きいと思うけど」


「すいません。ありがとうございます」


「じゃあ準備するからちょっと待っててね」



いつもはシャワーだけだから湯船にお湯を張るのなんてこの家に住んでから初めてかもしれない。


蛇口をひねってお湯がたまっていくのを見ながら、ここに彼女が入ってる様子を想像してしまって慌てて頭を左右に振って、それを追い払った。




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