彼と彼女の場合
こいつらの言うとおり、彼女が誤解して傷ついてしまってるかもしれない。


もしそうだとしたら、少しでもこの状態を長引かせたくなくて、早く彼女に会って伝えたい。



「俺行ってくるわ!」


「頑張ってねー」


無言で手を上げた結城と、ニヤニヤとうるさい佐久間を店に残して、彼女の元へと急いだ。




……とにかく会いたくて家の前まで来たはいいけど、いきなり迷惑だっただろうか?


チャイムを鳴らしてご家族を起こしてもいけないと思い、出なければ大人しく帰るつもりで彼女の携帯を鳴らした。



「もしもし、浩汰さん?どうかしましたか?」


すぐに聞こえてきた声に安堵しながら、何から話せばいいのかと、今更ながらに戸惑う。





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