彼と彼女の場合
「もしもし、こんばんは」


「こんばんは」



「愛果、今出てこれないかな?」


「え?あの…」


「今愛果の家の前にいるんだ。会えないかな?」



「うそっ!?すぐ行きます!」



耳にあてた携帯からパタパタと足音が聞こえて、すぐに玄関の扉が開いた。



「浩汰さん!」


「ごめんね、急に。とりあえず電話切ろうか?」


「あっ!す、すいません!」


「弟君たち、大丈夫だった?」


「はい、あの、どうかしたんですか?」



「ん?昼間会えなかったからね」



「あっ…」


「ごめんね」


「いえ、そんな!浩汰さんは悪くないです!お仕事で忙しいだろうし」


















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