彼と彼女の場合
あっ!時間!

私も早く準備しないと!


お母さんの服を借りて着て、ちょっとでも大人っぽく見えるようにメイクをする。


うちだけお母さんじゃなくて悠斗がかわいそうだから、ちょっとでも目立たないようにしないとね…。


お母さんは一日のほとんどを仕事で家にいないから、中学に上がった頃から弟たちの学校行事などは私が代わりに行っていた。

幸い、マスターはそんな状況も知っていてくれて急にお願いしてもちゃんと休みをくれるからどうにかなるんだけど…。

葵はあと一年で高校に上がって親が行くような行事は少なくなるだろうけど、

悠斗が中学を卒業するまで…ってことは、少なくともあと七年はこれが続くってことか…。

まあ仕方ないよね…。
< 32 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop