彼と彼女の場合

浩汰side

週明け――

やっと彼女に会える。

先週の金曜日、週末デートに誘ったけど断られたんだよな…。

気まずくなってなきゃいいけど…。


二時半ごろ行ってみると、いつもなら彼女の『いらっしゃいませ!』っていうかわいい声が聞こえて席まで案内してくれるはずなのに、

今日はなんで聞こえないんだろう。


どうしても気になっていたら…

「あっ!すいません!今日愛ちゃんいないんです」

…はあ?

いや、俺まだ何も言ってないし…

「あ…いえ…。」

「いつものでいいですか?」

「あ、はい…」


なんだこの人…。

なんか圧倒される。


しばらくして結城が出てきたから捕まえた。

「ちょっと、いい?」

「くると思った。仕事中だから短めに頼むぞ」

なんだよ、お見通しってことかよ…

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