彼と彼女の場合
…俺は今、結城に尋問を受けている。

というか、なんで佐久間までいるんだよ!

オーナーだろうが!仕事しろよ!


「で?お前愛ちゃんに何したわけ?」

そんな睨まなくても…。

「何もしてねえよ。ただ、告白…しただけだ」

「はあ…お前なあ…」

大きなため息をついながら呆れたように結城が言う。
佐久間はニヤニヤしながら眺めてるし…。

「でも彼女全然普通だったし…やっぱりどうも思ってないのかな…」

堪らず不安を口にすると、
「散々だったよ、愛ちゃん。来て早々店の扉に激突してたし」

「は?でも俺が行ったときは全然…」

「必死だったんじゃない?カウンター戻ってくるなりしゃがみこんでた」

うそ!?

そんな素振り全く見せないからてっきり…。


彼女が動揺していた、と聞いてなぜだか少し嬉しく感じていた。
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