彼と彼女の場合

愛果side

月曜日、私は散々だった…。


土日はどちらも仕事で、おかげで考え込まなくてすんだけど、バイトに行かないわけにはいかないし、行くと相沢さんに会うことになるだろうし…。

終始ぼーっとしていた私はお店に着くなり入口のドアにぶつかり、洗い物をしてはコップを割り、何もないところで躓いた。

見兼ねた舞さんがお客様の少ない時間帯を狙って話を聞いてくれた。



「…ふーん」

全て話終えた私に舞さんが言ったのはこの一言だった。

ふーんって…。

「どうしたらいいんでしょう…」

「ほっとけばいいんじゃない？」

ほっとくって…。

「でも…」

「別に返事を求められたわけでもないんでしょ？ならしばらく放っておけばいいのよ」

「確かにそうかもしれないんですけど…」