彼と彼女の場合
「いいから教えろよ」

「わかったからちょっと離れろ!」

思わず結城に詰め寄っていたようで近くなっていた体を離し、ソファーに座る。

「合宿だってさ」

「合宿?なんの?」

「そりゃあ学校のに決まってるだろ」

そりゃあそうか。

「お前愛ちゃんとメールしてるんだろ?何も聞いてなかったのか?」

「いや…聞いてない」

なんで教えてくれなかったんだろ…。

確かに俺も毎回『明日もいる?』なんて聞いてはないけど、それでも少しくらい教えてくれてもよかったのに。

「まあそんなへこむなって」

「べつにへこんでないし」
ちょっとショックだっただけだ…。

「なあ、お前らってどんなメールしてんの?」

「普通だよ。挨拶程度」

「ははっ!お前、全然進展してないじゃん」

笑うな!

俺だってわかってるよ!

でもどんな話したらいいのかわからないし、第一メールって苦手なんだ。
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