彼と彼女の場合
三日目もすべての予定が終わってホテルに戻り、晩ご飯も食べて部屋で梓とゆっくりしている。

「ちょっと電話してもいいかな?」

やっぱり家族のことが気になって今日も電話をしてしまう。

「いいよ。私ちょっと友達の部屋行ってくるね」

梓が出ていってすぐに葵に電話をかける。


「あ、もしもし葵?今日も変わったことない?」

「ああ、大丈夫だよ。ただ悠斗がちょっと咳してる」
「えっ、大丈夫なの?熱は?」

「今のところない。一応薬のませたよ」

よかった…。

悠斗は熱を出すとすぐに40度近くまであがって、小さい頃はよくひきつけたりしたから…。

「ありがとう。何かあったら夜中とかでもいいから電話してね!」

「うん」

お母さん、今日も仕事だもんな…。

「明日の夜には帰るから」
「了解。んじゃ、おやすみ」

「悠斗よろしくね。おやすみ」
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