彼と彼女の場合
ホテルに戻って急いで荷物を鞄に詰める。

昨日ある程度やっておいてよかった…。


また先生の車で駅まで送ってもらう。

「先生、すみません…」

「いいのよ。村野さんには村野さんのご家庭の事情があるんだし、それにもう単位は大丈夫だしね」

「ありがとうございます」

駅前まで送ってもらって何度も先生にお礼を言って車を降りる。

「一応心配だからお家についたら連絡ちょうだいね」
「はい!ありがとうございました!」

急いで切符を買って改札を入る。

すぐに来た電車に飛び乗った。


はあ…。

どれだけ気持ちが急いでもスピードは変わらない電車に内心イライラする。

少しでも早く行ってあげたいのに!

仕方なく空いていた席に座って東京駅につくのをひたすら待った。
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