彼と彼女の場合
「そちらは?」

保健の先生が俺を見て彼女に尋ねる。

「あ、えっと…」

「はじめまして。相沢浩汰と申します。保護者ではないのについてきてしまい申し訳ありません」

「あらあら、愛果ちゃんの恋人かしら」

こ、恋人!?

いや、嬉しいけど…

嬉しいけど!!

「ちょっと先生!そんなんじゃないですから!」

必死に否定している彼女は頬が赤くなっていて可愛いが、そんなに必死に否定しなくても…とちょっと悲しくなる。

「まあとにかくつれてかえってあげて」

「はい。ありがとうございました」

弟さんの手を引く彼女と一緒に俺も頭を下げて保健室を出た。


車に乗ると、やっぱりしんどかったのか弟さんは寝てしまった。

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