彼と彼女の場合
「いいよ」

「…へっ?」

「頼ればいい。それで俺を必要とすればいい」

「あ、あの…」

「俺は嬉しいよ」

「えっと…」

まさかの返事にまともな言葉を返せない。

「こんなときに言うのはずるいのかもしれないけどさ…」

「は、はい」

「俺の彼女になってよ。必ず守るから」


……えっ?

か、彼女!?

そんな、私相沢さんのこと好きだって言ったっけ?

いや、確かに好き…だけど、さっき気付いたばかりなはずなんだけど…。

「返事はイエスしか受け付けないよ」

「え、あの、いや…えっと、」

「付き合ってみてやっぱり俺じゃだめだっていうならそのときは身を引くよ。まあそんなこと言わせない自信はあるけどね」

< 94 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop