甘
そうすると、
自分が呼ばれているという事に気付いた。
「おいっ!神崎。お前の隣に転校生だからな。」
そう、担任が言った時に、クラスの視線が私に集中する。
特に女子。
私はもちろん、話なんて聞いてない。
転校生の顔も見ていない。
ふと、視線を担任の横にいる生徒に向けてみる。
確かに、カッコいいのかもしれない。
顔が整っている。
鼻も小さくて。
目は普通かもしれない。
でも、何か説得力のある目をしていて。
「はあい。」
面倒くさそうに、そう呟いた。
「よろしく。」
そう、その彼が言ったのも無視して。