甘
「ふふううんっ。」
だって、あまりにも優しすぎるから。
「だって、意地悪したくなったんだもんっ。」
そう大きな声で私が話したら、拓は顔を真っ赤に染めて。
“…外で、待ってるよ。”
そう言った。
私、いじめすぎた?
いつも、やってるのに。
「分かったぁ。」
そう言ったら、拓はすぐ出口の方へ歩いていった。
外は、雪か。
この雪。
この景色。
忘れちゃうよ、そんなに経っていないのに。
それより、雑貨雑貨!!
雑貨屋の前で、拓を見つめていたら、声が聞こえてくる。
「…ねぇっ?」