甘
昨日の事を思い出しながら、学校への道を歩く。
私の行為は、合っていたのかな……?
不意に不安に襲われ、ハッとなる。
今日の朝、隼の連絡先も聞かず、
隼が寝ている間にホテルを出た。
もう、あの言葉に惑わされる事はない。
「おはよう♪」
「おはよ!」
結城杏。
杏は、中学からの親友で友達からは、『杏子』(あんこ)とか呼ばれている。
あだ名の通り(?)杏は大の甘いもの好き。
杏は、悩みながら歩いている私の肩に手を置いて、話し出した。
「昨日はどうだったの??」
「どうだった…て?」
私が知らない素振りを見せて疑問形で聞き返す。
解ってるくせに。
そう杏は言って、溜息を付いた。