シュガーレスコーヒー
キス、だ…
なんだかうまく考えられないままそう思う。
しばらくして唇が離れて、先生の開口一番と言えば、
「キスもしたことなかったみたいだね。」
とお得意の皮肉。
息の上がった私には反論する余裕はなくって。
「苦いコーヒーは好きになれた?」
と言う質問には首を振った。
「…先生が飲ましてくれないと飲めない。」
ボソッと言うと、
「わがままなお子様だな。」
と楽しそうに笑っていた。
私のファーストキスは苦いコーヒーの味で、とても甘かった。