シュガーレスコーヒー



胸が高鳴る。

警鐘のような耳鳴りが聞こえる気がする。


でも逃げられない。


眼鏡の奥の瞳に捕まった気がした。


「知りたい?」


息がかかるほど顔を近づけてきた先生からはコーヒーの匂い。


顔に全身の熱が集まったみたいに顔が熱い。


その様子を楽しむように先生は笑う。


そしてふ、と離れていった。


そのまま私に背を向けて自分の机に戻る先生。




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