【番外編】惑溺 SS集
 
いつも日曜日はお昼近くまで寝てしまうから、朝ごはんというよりはブランチと言った方がしっくりくるんだけど。
いつも不摂生な生活をしてるだろうリョウに、私がいる時くらいは少しでも健康的な食事をしてほしくて、なるべく野菜の多いメニューを作ってるつもりなのに。

「俺、ズッキーニ嫌い」

なんて、子供みたいな事を言うリョウを睨んだ。

「じゃあいい、私ひとりで食べるから」

頬を膨らませてお鍋の蓋を閉じると、リョウはくすくす笑いながら私の頬をするりとなでた。

「ウソ。食べる」

まるで猫の喉をなでて機嫌をとるみたいに、長い指で私の頬を優しくなでながら、綺麗な口元をゆるめて微笑んでみせる。

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