【番外編】惑溺 SS集
枕元にかがみこんで、熱があるか確認しようとリョウの額に手を伸ばした時、突然その手を掴まれた。
「きゃっ……!!」
乱暴に体を引き倒され、気が付くとベッドの中に引きずり込まれていた。
突然の事に驚いて目を見開くと、組敷くように私の体を押さえ付け悠然と微笑みながら見下ろす、酷い男。
獲物を捕らえた獣の様に、手の内で身動きのとれない私を見て、綺麗な口角を微かに上げて、ひどく残酷な笑みを浮かべた。
「お、起きてたの……!?」
「今起きた」