【番外編】惑溺 SS集


枕元にかがみこんで、熱があるか確認しようとリョウの額に手を伸ばした時、突然その手を掴まれた。

「きゃっ……!!」

乱暴に体を引き倒され、気が付くとベッドの中に引きずり込まれていた。
突然の事に驚いて目を見開くと、組敷くように私の体を押さえ付け悠然と微笑みながら見下ろす、酷い男。

獲物を捕らえた獣の様に、手の内で身動きのとれない私を見て、綺麗な口角を微かに上げて、ひどく残酷な笑みを浮かべた。


「お、起きてたの……!?」

「今起きた」

< 9 / 148 >

この作品をシェア

pagetop