ソプラノ
家に帰った鈴芽は、パソコンの前に座り、インターネットの画面を開いた。
「一ノ瀬 音楽家 検索」
画面に写った一ノ瀬孝行の文字にカーソルを合わせ、クリックして開く。
そこには一ノ瀬孝行のことやスケジュールが書いてあった。
そして、家族構成のページもあった。
鈴芽は深呼吸をしてから、そのページをクリックした。
一ノ瀬孝行の祖母、一ノ瀬琴江は有名な琴奏者であること。
妻の裕美子は美人ヴァイオリニストであること。
そして、2人の息子、奏一と奏夜は、
将来を期待されているピアニストであることが載っていた。
「おばあさんやお母さんもすごく有名なんだ。」
「鈴芽ー、ご飯よー、下りて来なさーい!」
鈴芽はパタンとパソコンを閉じて、1階に下りて行った。