ソプラノ

「かわいー!」

「どれ?」

「これ!」

鈴芽が指さしたUFOキャッチャーのブースの中には今人気のゆるいキャラのぬいぐるみがあった。
蓮はそれを慣れた様子でいとも簡単にゲットした。

「蓮、ほんと天才だよね。」

「まあな。」

「たまにはあたしも取ってみたいんだけど、才能ないのかなー。全然だめ。」

「練習すれば出来るようになるよ。」

そう言いながらもう一つぬいぐるみをゲットしてみせる。

「ほれ、これもやる。」

「ありがとう!」

「次あれやろうぜ!」

「楽しそう!やろうやろう!」

蓮と過ごす時間は居心地が良くて楽しい。
素を出せるってこういうことなんだと鈴芽は思った。
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