ソプラノ
―月曜日
『…どうしよう。』
「ねえねえこのは。」
「なんだ。」
「鈴芽、今日は朝からあんな感じじゃない?」
「HRが終わったことにも気づいてないな。」
「いつもならさっさと帰り支度始めてるよね?」
「らしくないな。」
鈴芽は先日奏夜に言われたことをずっと考えていた。
これから、屋上に行くか行かないを…
「鈴芽?どうしたの?帰らないの?」
「へ?あ、亜美ちゃん!」
「あたしも部活行くぞ?」
「部活?えっ!もうそんな時間?いつの間にHR終わったの!?」
「鈴芽、今日ずっと考え込んでたけど、大丈夫?」
「悩みがあるなら聞くぞ?今日はもう部活に行かなきゃいけないが…」
『亜美ちゃんも、このはちゃんも心配してくれてたんだ。聞いてもらおうかな…。いや、これくらいのこと、自分で解決しなきゃ。やっぱり、行こう。』
「ううん。大丈夫!心配かけてごめんね。」
「本当に?本当に大丈夫?」
「うん!亜美ちゃん、今日はこれから用事あるんだ。だから、先帰ってて!待っててくれたのにごめん!このはちゃんも部活頑張ってね!」
「分かった。先帰ってるね。でも、何かあるんだったら、絶対相談してね?」
「うん、ありがとう!じゃあ、また明日ね!」
2人を見送ってから、鈴芽は教室を後にした。
『終わらせるために会いに行く。さよならを言うために…。」
階段を登り終えて、屋上に続くドアに手をかけた。