ソプラノ
「お前ら、授業サボってこんなとこで騒いで、楽しそうだな」
扉の前には背の高いジャージ姿の男。
生活指導の桜庭だった。
「お前ら、元気が有り余ってるようだな」
「有り余ってるのはこの人だけで、僕は全然。体育会系じゃないですし。」
『えー、一ノ瀬君態度変わりすぎじゃない!??』
奏夜の変貌っぷりに驚く鈴芽。
少しの沈黙のあと、
「えっ、いやいや一ノ瀬君も十分元気だったよ!?」
「そんなことないですよ。僕はもうヘトヘトだよ。」
「絶対元気有り余ってるよね!?」
「元気な上に仲も良いようだなぁ、お前ら。」
「仲良いだなんて、先生冗談でしょ?」
「仲良しなお前らには、共同作業をしてもらうか。」
「いや、だから、僕たちは仲良いわけじゃ…」
「よぉーしっ、サボりの罰として、今日から一週間資料室の掃除を命じる!」
「「えーーーっ」」(同時)
キーンコーン…