ソプラノ
「鈴芽?何ボーっとしてんだ?」
「んー?」
「…なんかニヤついてないか?」
「やだなーこのはちゃん。そんなことないよー。」
そうは言っているが、鈴芽の顔は完全にニヤけている。
「…ちょっと気持ち悪いぞ…。」
「そんなことないってばー。」
「鈴芽、喋り方までおかしいよ?」
「いつも通りだよー。亜美ちゃんまでやだなー。」
そうしているうちに外の賑やかさもなくなっていった。
「さーて、HR始まっちゃうから席に着かなきゃー。」
そう言いながら、鈴芽は自分の席に戻って行った。
「…このは、どう思う。」
「どう思うって、普通ではないとは思うが…。」
「だよね、絶対何かあったよね。」
「大事件かもしれないな…。」
「あたしたちが考えていること、一緒だよね?」
「ああ、多分。でも、そう考えるとつじつまが合うんだよな。」
「これは、後で事情聴取だね。」