ソプラノ
―昼休み
鈴芽たち3人は、中庭でご飯を食べていた。
食べ始めるや否や、鈴芽は亜美とこのはから質問攻めに遭っていた。
「鈴芽!一ノ瀬奏夜と何かあったでしょ!!」
「あたしたちに報告することがあるんじゃないか?」
「そうだよ!友達なんだから隠し事はなしだよ!」
そう2人が問いただすと、鈴芽は食べかけのパンをそばに置いて話し始めた。
「亜美ちゃん、このはちゃん。実は…。」
『やっぱりそうなの?』
『…大事件だ。』
「あたし、一ノ瀬君と…。」
亜美とこのははごくりと喉を鳴らした。
「一ノ瀬君と正式にお友達になりました!」
「・・・。」
「・・・。」
「「はあ?」」
「昨日さ、2人で話し合ったんだよね。
このまま友達を続けていいのかどうか。
あたしはね、迷惑なんじゃないかなって思ってたんだけど、
一ノ瀬君は違ったみたいで、結局友達は辞めなかったんだよね。」
「ちょっと待て鈴芽。」
「正式に“お友達”になったの?」
「そうだよ?ちゃんとアドレスも交換したんだよ!」
亜美とこのはは脱力して肩を落とした。