ソプラノ
「あ、あれ?2人ともどうしたの?」
「どうしたのじゃないよ。」
「ドキドキして損したな。」
「え?え?」
下を向き溜息をつく2人を見て鈴芽は少し戸惑った。
「あー、もう。亜美たちはさ、てっきり鈴芽と一ノ瀬奏夜が付き合ったのかと思ったんだけど。」
「そうそう、昨日の鈴芽の態度とか朝の様子とか、付き合ってたら納得がいくしな。」
「そ、そんな!付き合うなんて、知り合ってまだ一週間しか経ってないんだよ!?」
「だって鈴芽、今日の朝、一ノ瀬奏夜のことうっとりした目で見つめてたし!」
「顔もニヤついてたしな。」
鈴芽は少し間をおいてから、がっかりしている2人に向かって、言った。
「でもね、一ノ瀬君といるとドキドキするんだ。声も、耳から入って頭の中で響くの。なんだか、キラキラして見えるし…。
これってさ、恋、なのかな…?」