ソプラノ
第ニ楽章ー友達ー
ー放課後
ガラガラ
「遅い。」
資料室の扉を開けると奏夜はすでに来ていた。
「あ!ごめん!ホームルーム長引いちゃって…」
「ふーん、言い訳。」
「ちがっ!そういうつもりじゃっ!」
「まあいいや。で、何からやればいいの?」
「とりあえず資料の整理からかな…」
本棚には気が遠くなりそうなくらいの資料が乱雑に並べてあった。古いものは文字がかすれてきている。
「だな。よし、右から古い順に並べていくぞ。」
「うん!一番古いのは…」
「創立された年のだから20年前のやつだろ。」
「じゃあこれだね。うわー、埃がひどい…」
辺り一面に埃が舞い、長年手がつけられていないことを物語っていた。