むせ返るほどの愛
鎖を巻くなら、手と首で
「好きにさせるぐらいなら、殺してよ。僕は、多分、君を普通に愛せない」
柔和な笑みを浮かべた彼は、その手に鎖を持つ。
「普通の恋愛――少女マンガにあるような、甘いものなんて無理だ。僕の愛し方は、砂糖とハチミツをぐちゃぐちゃに混ぜたほどに、より甘いから」
毒々しいまでに甘い味となろう。そんなもの、受け入れる方がどうかしている。
「だから、君に選択してほしい。君を傷つけない、愛し続け、守って、不憫な思いはさせないと誓うけど、“むせ返るほどの愛”を全て呑み込んでほしいんだ」
それが出来ないならと、鎖を手渡される。
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