むせ返るほどの愛
「君を愛してしまった以上、僕は嫌いにならない。そうして、耐えられない。君に嫌われることが。なら、いっそ殺してよ。僕に声をかけて、好きにさせてしまった君の責任を果たして」
面倒な奴だと思った。手渡された鎖の重みよりも、彼の束縛(鎖)の方が重いし、がんじがらめ。
「殺したくない、僕と共に生きるというなら、互いの手首を鎖で巻こう。ずうっと、一緒だよ」
考えるまでもなかった。
誰かのモノになるだなんて、私は耐えられない。
ついで、命令されるのも嫌いなんだ。
「『選択して』?」
そんな、命令。