むせ返るほどの愛
鎖を引き、俯く顔を無理矢理あげる。
「呑み込めないほどの愛を飲み下して、吐くのは血ヘド。私は、そんなあなたが好きだから」
『好き』以外の単語は聞いていないのか、ぱあと、飴もらった子供みたいに笑う彼。
いいこいいこと撫でる変わりに、首に巻いたままの鎖を引く。
「『手と手』よりかは、こちらがいいですね」
手と首を。
「一生離さないなら、これでも構いませんよね?」
「ああ、いいよ。君が望むなら、何だってするから」
一緒にいて、とそんな望みしかない彼の頭を撫でる。
「君の顔、見られないんだけど」