潤いリップ
1st
*和架side
なんで私だけ就職先決まんないんだろう……。
もう、大学も卒業なのに……
「和架?」
「あ、優斗。」
あるカフェで就職先が決まらず、落ち込んでいたら思わぬヤツがやってきた。
「和架、久しぶり。」
「優斗も。……アンタ、就職決まったの?」
「決まったよ。和架は、まだなんだろ?」
「なんでアンタが知ってるのよ。」
「日和から聞いた。」
「……あのバカ、なんでペラペラと喋るんだろう。」
「和架は、何がしたいの?」
「事務系がいい。」
「じゃあ、ここの事務所は?事務職員募集してるみたいだけど。」
「あ、ここ、」
PLOO…PLOO…
「はい、佐伯で……」
「和架!今どこ!?」
「あ、日和?……今、いつものカフェにいるよ?」
「主役がいないと練習始まんないんですけど!」
「え、もうそんな時間!?今行く!」
電話を切って、優斗を見ると笑ってる。
「相変わらずだな、和架は。ここは俺が払っておくから練習行けよ(笑)……日和には内緒な?」
「ありがとう!わかった(笑)」