社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「恥ずかしい…、です」
「そんなにか?」
「そんなにです。私をあげるなんて恥ずかしいですよ…。でも拓斗さんだから」
拓斗さんの胸に飛び込んだ私を拓斗さんは抱き締めてくれ、恥ずかしがる私を撫でてくれた。
「真っ赤だな」
「拓斗さんの所為です」
きっと耳まで赤くなっているんだろう。
そんな私の耳に髪の毛をかけた拓斗さんは私の耳朶を指先で撫で、擽ったがる私の顔を上に向かす。
ゆっくりと瞼を下ろし拓斗さんの唇が私の唇に触れる事を待っていたけど、
「ふぎゃああ」
拓斗さんの唇が私の唇に触れる事なく、私の瞼は上がった。
「……」
「……」
「ふぎゃあああああああああっ」