社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
聞いてほしくないのに、私がそんな事を悩んでるなんて拓斗さんには気付いてほしくないのに…
例え言っても私に気を使って気にするなとしか拓斗さんは、言ってくれないんだもん。
「そのですね…。頑張ろうと思って。そう、これからは私も頑張っちゃいます!」
「……」
「えへへ。おやすみなさい」
返事が返ってくる前におやすみなさいを言って、拓斗さんに擦り寄り、思う存分くんくんと匂いを嗅がせてもらいリラックスした私はそのまま夢の中へ。
だから、私は、
「額縁買ってくるか」
そんな独り言を拓斗さんが言っていたのも、
「おやすみ、優子」
と、私のおでこにキスをしてくれたのも知らなかった。