社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)






『それじゃ、明日の夕方に行くわね』

「うん。待ってるね」





今日は12月10日。


そして明日12月11日の夕方には、このマンションにお父さんお母さんお義父さんお義母さんが揃う。


何故揃うのかと言えば明日私が20歳になるからで――、20歳のお誕生日はとても特別な日だからと拓斗さんが私に内緒で、前々からその日の夕方は空けておくようにと連絡を入れていたみたいで、平日だというのにわざわざ皆が来てくれる事になった。





「何もしなくていいって言ってくれたけれど、流石にそういう訳にはいかないよね…」





受話器を置いてそう呟いていると、





「またそんな事を言ってるのか」





ソファーに座っていた拓斗さんが、新聞を畳みながら口を開いた。



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