社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
滅多にしないお化粧をし、拓斗さんが私にプレゼントしてくれたドレスタイプのワンピースと、お義母さんから頂いたイヤリングを。
そんな鏡にうつる私はちょっぴり不思議というか、普段しない格好だから余計に可笑しくない?と不安になってしまう。
「大丈夫かなぁ。大人だから多少は気を付けなくちゃダメだよね」
これからはスッピンにラフな格好というわけにもいかない。
瞳子と遊ぶ時なら未だしも拓斗さんが居るときくらいは…
「うーちゃんおまたせ」
リビングに顔を出した私を瞳子は見ようとはせずおもちゃに夢中で、どうやら私はおもちゃに負けてしまった。
仕方ないと思いつつ無意識にキッチンに行った私は、冷蔵庫をあけてから気付く。
今日は何もしなくていいんだって。