社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
100人中100人が羨ましいと思うマイホームじゃなくてもいい。
100人中100人がエーッと思うマイホームでもいい。
隣に拓斗さんと瞳子が居てくれるならそれだけでいい。
「嬉しいです。ありがとうございます。私、もっともっと頑張ります」
もっともっと頑張って、もっともっと拓斗さんが過ごしやすいと思う空間にしたい。
今いるこのマンションでも、いつか住む事になるマイホームでも。
「拓斗さん…。大好きです」
きっと私はこの日の事は絶対に忘れない。
こんなに豪華で賑やかで泣いて笑った今日をマイホームが完成した時にまた思い出す。
――二十歳の誕生日は忘れられないと言うけれど、それは本当で私にとって忘れられない一日になった。