社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「下はサイズ合わなかった」
先に喋ったのはサンタさん。
すまないなんて言うけれどそんなの気にしない。
上だけしかサンタさんの格好ではないけれど、私からすればこれ以上にない素敵なサンタさんで。
「勿論優子も着るよな?」
こくこくと頷いてサンタさんから、私のコスチュームを受け取った。
「待ってるから早く来てこい」
「……はい。サンタさんになって戻ってきます」
夢にまで見た。
いつかお揃いで着れたらいいなって思っていた。
きっと着たら素敵なんだろうなという想像から、いてもたっても居られず買ってしまったサンタのコスチューム。
ツリーのように飾りだと嘘をついた事もしかしてバレバレだった?