社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
瞳子が誕生してからも今まで通り一緒に寝よう、むしろ同じ寝室ではないと嫌だと言ってくれた拓斗さん。
そんな拓斗さんが今日は同じベッドにも、それ処か同じ空間にもいない。
そんな状態でいい睡眠なんて取れるはずもなく、早朝4時に私はぼうっとした頭のまま寝室を出た。
「最悪だ…」
洗面台の硝子の前に映るのはサンタさんのコスチュームのまま寝てしまった私の姿で、そんな姿を一言であらわすなら最悪。
顔は浮腫み一目で泣いた後だと丸分かり、何より笑おうとしても口角は上がるものの目は全く笑っていない。
こんなの誰がどう見たって作り笑いだ。
「―…くしゅん」
薄着で寝てしまったせいで喉もちょっと痛いし、悪い事ってどうしてこんなに続くの?