社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
「……優子、違う」
「今から取りかかります!」
「落ち着いて時計を見てみろ」
時計を見ろと言われ視線を時計に向けた。
「あ、れ」
壁時計が示してるのは15時。
時計壊れちゃったのかな?と拓斗さんの腕時計を見てみても15時。
「だから焦らなくても大丈夫だ」
「今日のお仕事はもう終わったんですか?」
「いや、抜けてきた」
「抜けてきたって、何かあったんですか?それとも体調が悪いとかですか…?気付かなくてごめんなさい。それなのに私わがままも言っちゃったりもして。ちょっとおでこ触らせてください」
右手を拓斗さんのおでこに当ててみる。
うーん、特に熱くはないみたい。
「熱はないみたいですね」
「あぁ、体調は悪くない」
「あ、忘れ物とかですか?」
「忘れ物を取りに来たわけでもない」
だとするなら、