社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)
駄駄っ子のような私はやっぱり子供でしかなく、拓斗さんに近付きたいと言ったくせにやってる事はソレに近付かない事ばかり。
「拓斗さんが嫌だって言っても無駄ですから」
「……」
「嫌だって言っても私はやめませんから」
「嫌なわけがないだろ」
外方を向いたままの拓斗さんがそう呟く。
一瞬空耳かな?と思ったけれど、そのあとすぐに拓斗さんの腕が動いたのに気づいて、空耳じゃないのかもと思い。
「うわっ」
ぐいっと引っ張られた私があっという間に拓斗さんの膝の上にのった時には、じゃないのかもから本当だったんだにかわる。
「拓斗さん…。嫌じゃないんですよね」
それでも疑ってしまう私は拓斗さんに聞いてしまった。